浜当目に二つある海亀の墓のうちの一つ、石祠の供養墓
浜沿いの墓地の中にある |
なんの関係もない海岸の亀トイレ |
浜当目海岸沿いの道路から陸側に入ると、道沿いに墓地が連なっています。その墓地の、虚空蔵山に近い付近にあります。
「南無八大龍王眷属亀之霊供養墓」と同様の、海亀を供養し祀った墓です。こちらの墓は石祠で、現在では亀を祀っていることがわかるようなものは何もありませんが、以前は亀の置物が供えられていたそうです。
昔の浜当目の海岸には広い砂浜がありました。『ふるさと東益津誌』によると、大正5年ごろの波打ち際は、同書発行時(1982年)より200mほど沖にあったといいます。現在でいえば、浜沿いの墓地から沖に設置されている離岸堤付近まで、砂浜がずっと続いていたようです。
その広い砂浜に、かつてはウミガメが産卵しにやって来ました。『浜当目の民俗』によると、浜がウミガメの卵でいっぱいになることもあったといいます。ウミガメそのものは豊漁を呼ぶものとして大切にされましたが、卵は食用にすることもありました。
戦後になると、治水工事や築港などの影響で砂浜が縮小し、ウミガメの産卵も減っていきました。昭和40年代前半まではウミガメの上陸が見られたそうですが、そのころにはすでに珍しい出来事になっていたようです。