田んぼのかたわらで祀られていた田の神
田明神跡の石碑 |
説明看板 |
田明神跡と神神社 |
田明神はいわゆる田の神、稲作をする田を見守る神だったようです。石碑・説明板によると、元はこの碑が建つ場所に田明神を祀る小さな祠があったが、昭和60年(1985年)1月に祠を神神社(みわじんじゃ)境内に移したとのこと。毎年1月11日に行われる例祭は、元の祠跡に降神して行うそうです。また、例祭と同日に、各農家で春田打ちという田の神に豊作を祈る祭を行っていたそうです。
石碑の建立時期や建立者は銘などには見つからなかったのですが、おそらく祠を神神社に移す際に田明神を祀るこの付近の農家の方が建てたものと思われます。祠は、現在、神神社の奥の垣で囲まれた神域内にあるようです。垣の外から伺うと神神社本殿の脇にそれらしき小さな石祠がいくつかあるのが見えますが、この内のどれが田明神のものなのかは確認できません。
春田打ちのような各家で行う田の神の祭は周辺地域にもあり、田打ち講(たぶちこう)とも呼ばれていました。田に鍬を入れて土を起こしたところに茅やススキなどを立て、餅などの供え物をし、田の神を迎えてその年の豊作を祈る行事です。田明神例祭とは別に各家の田の神の祭祀も行うことから考えると、集落全体の田を守る神として田明神を祀り、春田打ちで各家の田に神を迎えるかたちだったのでしょうか。
最終更新:2014年5月24日 ページ作成:2014年5月24日