浜当目に二つある海亀の墓のうちの一つ、石碑の供養墓
海岸沿いの藪の中にある |
銘 |
浜当目海岸沿い道路を虚空蔵山に向かって歩くと、もう間もなく山に突き当たるというあたりの右手(陸側)の藪の中にあります。碑の隣のイヌツゲが海亀形に刈り込まれており、2014年に訪れた際には碑の土台も海亀を模したような形に石が配置されていました。
全国各地で見られる漁師の信仰として、ウミガメを大切に扱うと良いことがあるというものがあります。浜当目でも、ウミガメを大切にすると豊漁になると信じられていました。生きたウミガメが浜に打ち上げられたり網にかかったりした場合にはお神酒を飲ませて放してやり、死んだウミガメが漂着した場合は墓を作って供養したといいます。
浜当目には現在、浜に漂着した亀を供養した墓が二つ残っています。そのうちの一つである海岸沿いに建つ亀の墓は、浜当目の船元である事代丸と七右衛門丸によって建立されました。碑にある「八大龍王」とは仏教の法を守護する8体の竜王で、雨や水を司る水神としても信仰されています。ウミガメは竜王の使いとされることもありました。