勝草橋上流の石仏群

いい笑顔の地蔵ははたして子安地蔵なのか?金毘羅山近くの瀬戸川堤防上に祀られる5体の石仏

勝草橋上流の石仏群

勝草橋上流の石仏群

勝草橋上流の石仏群、観世音大菩薩碑

観世音大菩薩碑

勝草橋上流の石仏群、地蔵風の墓石?

地蔵風の墓石?

勝草橋上流の石仏群、地蔵立像(小)

地蔵立像(小)

勝草橋上流の石仏群、地蔵座像

いい笑顔の地蔵座像

勝草橋上流の石仏群、地蔵立像(大)

地蔵立像(大)

勝草橋上流の石仏群

写真奥に進むと勝草橋がある

石仏群の内容
  • 覆屋内に左から、観世音大菩薩碑、地蔵風の墓石?、地蔵立像(小)、地蔵座像、地蔵立像(大)が並ぶ。ほか、小さな仏像などが多数そえられている。
  • 観世音大菩薩碑は、川石のような丸みを帯びた石に「昭和五十四年六月、觀世音大菩薩」などと刻んである。桜の花のような模様もあり。
  • 地蔵風の墓石?は、墓石のような四角い石塔に丸い石を頭のように乗せてある。石塔の表面になにか文字が刻まれているが読めない。一見すると丸石が頭のようで地蔵かと思ったのだが、よく見たら違うような気がしてきた。
  • 地蔵立像(小)は、光背様のものを背負っているが、銘などは見えなかった。
  • 地蔵座像は、かなり風化している体の上に、新しく作った頭部が据えられている。いい笑顔。
  • 地蔵立像(大)は、四角張った体の上に、丸い石が頭がわりに乗せられている。体部には衣や手足の凹凸がかすかに残っている。「大覚寺・竹薮前の地蔵」のようなタイプの地蔵立像が風化した姿なのではないかと思った。
解説

藤枝市の有名な桜の名所である金毘羅山の近くにあります。瀬戸川の勝草橋から金毘羅山を目指して堤防上の桜並木の道を歩いていくと、大きな楠を通り過ぎた先の右手にこの石仏群を安置する覆屋があります。

『青島の野仏』によると、これらのうち1体は川除地蔵で、1体は子供の病に霊験のある子安地蔵らしいのですが、どれがどれかわかりません。私個人の感想としては、親しみを感じさせるほがらかな表情の地蔵座像が子安地蔵かと思いましたが、この頭部は後付けのもののようですし、人は見かけによらないともいうし、やはりわかりません。

同じく『青島の野仏』によると、ここの石仏群の供養は8月24日に行われ、瀬戸川を挟んだ藤枝市藤枝3丁目にある西光寺に読経を頼んでいるということです。勝草橋下流にある「ふれあい大橋そばの川除地蔵など」と同じですね。

なお、『青島の野仏』や「瀬戸川堤防の石仏」では、ここには4体の地蔵が祀られていたと書かれています。現在一番左端に安置されている観世音大菩薩碑は、見逃されていたのでなければ、最近になってここに運び込まれたということになるようです。

参考文献